まっちゃの人生

まっちゃが日々思ったことを綴ります。

志村けんに学ぶ、笑いの心理学【100兆回日本を笑わせた男】

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どもども、まっちゃです🍵

心理学関連の本を100冊以上読み、現在心理学に2000時間かけたので情報発信してます。

 

まず初めに。

僕は正直、志村けんさんについてあまり知らないです。

 

ーでも、これだけは知っています。

 

”彼は兆の笑顔を生み出し、億のファンに愛され、万の心を救った。”

 

20代の若造でも、これだけは知っているんです。

48年間にわたって人に元気を与え続けた彼を、本当に尊敬します。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

というわけで、本日は”笑い”の心理学。

まずは”笑い”の心理雑学をいくつかご紹介するので、志村けんさんの心理学的な分析を読みたいという方はこちらをクリック!

3.科学的に見た”笑い”の構造

 

それでは参りましょう!

 

 

”笑うと健康になる”は嘘だった!”笑い”の本当の効果とはー

 

ハイ、いきなり衝撃ですが。

笑うと健康になるというのは嘘です。

笑いと健康は直接的に結びつかないというのが科学の正しい見解です。

これを裏付ける調査データがあります。

 

スベバクが2004年にノルウェーの成人約65000人を対象に行った調査です。

この調査ではユーモア(=笑い)センステスト及び健康の指標の統計を取りました。

そして明らかになったのが、消化系・筋肉痛・血圧・肥満など、多くの健康の指標とユーモアは無相関でした。

しかし、”健康への満足度”に関してだけは、有意な相関が見られました。

 

つまりどうゆう事か?

”笑う”と主観的には健康になるが、客観的な指標としては何ら健康に影響を与えていない、という事です。

 

この実験の一部分を切り取って、「笑うと健康になります!」って誰かが言い始めたんでしょうねえ...

そのせいで、誤った認識が日本中(もしかしたら世界中?)に広まってしまったわけです(´-ω-`)

 

POINT

・”笑い”に直接的な健康効果は無かった!

 

笑いの本当の効果はコレだ!!!

 

確かに”笑い”と健康効果の関連性は2020年になった今でも、見つかっていません。

しかし、”笑い”には他に絶大な効果があると分かっているんです...!!!

その効果というのが、ネガティブ感情の緩和・創造性の向上・認知スパンの拡大・親近感の醸成です。

 

直接的な健康効果が認められないだけで、それ以外の部分でスゴい効果を発揮しているんですね。

 

ネガティブ感情の緩和

 

これが、志村けんさんが万の心を救ったと言った所以です。

”笑い”は確実にネガティブ感情を抑えてくれます。

実験事例があります。

 

フレデリクソンが2013年に行った実験です。

この実験ではまず、被験者全員がネガティブ感情を抱くように誘導されます。

その後に、以下の3つの介入を行います。

 

  1. コメディなど、笑える動画を見せられる
  2. 映画の悲劇的なワンシーンを見せられる
  3. 機械的で単調な映像を見せられる

 

そしてその映画を見せた直後に、心血管系活動の昂ぶりが元のレベルに戻るのに、どれだけの時間がかかったかを測定しました。

戻りが早い程、ネガティブ感情を低減できたという事になります。

結果は一目瞭然でした。

 

  1. 20秒
  2. 60秒
  3. 40秒

 

つまり、”笑い”によってポジティブ感情を抱くように誘導された場合、通常の2倍も早く、ネガティブな身体的反応から回復できたのです!!!

さらに、映画の悲劇的なワンシーンを見せられたグループと比べると、その効果は3倍!!

 

精神疾患などの多くは、持続的・慢性的なストレスから発症します。

そういった意味では、”笑い”は精神疾患の予防に効果的と言えるでしょう。

素晴らしい効果ですね。

 

POINT

・”笑い”はネガティブ感情からの回復を早くする!

 

創造性の向上

 

笑うと創造性が上がることが分かっています。

これも実験事例を見るのが一番早いですね。

 

2008年にアイゼンが行った実験があります。

この実験では以下の2つのグループに分けられます。

 

  1. 何も介入を受けないグループ
  2. コメディを事前に見せられるグループ

 

そしてこの後、ドゥンカーのロウソク課題(心理学界で有名な、創造性を測るテスト)をそれぞれ解かせます。

結果はどうなったのか?

 

なんと、コメディを事前に見せられたグループの方が、このテストを遥かに早く解いたのです!!

 

この実験結果から、”笑い”は創造性を向上させるという事が分かりました。

Googleの社内がこんな感じになっているのも、笑いや楽しいという感情を生み出し、創造性を上げる為なんですね(。-`ω-)

 

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Google社内



POINT

・笑うと創造性が向上する!

 

認知スパンの拡大

 

なんだかややこしそうな単語に見えますが、実は単純な話。

要は、視野が広がるって話です。

これについても裏付けとなる実験があるのですが...

 

説明がめんどい(^ム^)

 

ので、割愛します(笑)

だってさ、フレデリクソンは部分全体課題とフランカーテストを用いて認知スパンの拡大を証明した。部分全体課題では、構成要素は△だが、構成要素からなる全体の形は□というように、構成要素と全体の形が異なる時にどちらに着目して反応するかが測定されて........

 

とか、聞きたくないでしょ!?

 

もうね、とにかく説明がめんどいの。

ってことで、とにかく視野が広がる!

んでもって、視野が広がる事によって長期的思考が出来るようになって、ネガティブ感情が緩和されるんじゃねーの?

って考察が立てられたりしてるって事だけ憶えておいてください!!

 

POINT

・笑うと視野が広がる!

 

親近感の醸成

 

これは皆さんにも身に覚えがあるのではないでしょうか?

一緒に笑い合うと急に仲良くなる、みたいな。

そう、やはり”笑い”は親近感を作り出すんですね!

 

マーチンが2007年に行った実験では、ユーモアを含んだ文章と、含んでいない文章をそれぞれ被験者に見せました。

すると被験者は、ユーモアを含んだ文章の方が遥かに親しみやすいと評価しました。

 

つまり、対人関係においてだけでなく、文章の親しみすらも増してしまうのが”笑い”だった訳ですΣ(・□・;)

スゴ過ぎですね。

POINT

・”笑い”によって親近感が生まれる!

 

科学的に見た”笑い”の構造

 

以上、”笑い”の4つの効果をご紹介させて頂きました。

総じて、笑っときゃ色々得という事です。

 

さて、そろそろ志村けんさんの笑いの秘密に迫っていきたいわけですが、その前に1つ。

なぜコントは面白いのか?

心理学的な研究や理論がその答えを出してくれています。

 

ユーモア心理学には、優越理論とか不一致理論とか、エネルギー理論とか...

まあ色々あるんですが、結局どの理論も結論は1つ。

 

人間は”ズレ認識”によって笑います。

 

これは実例を見た方が早いです。

以下はイギリスで200万人が参加した投票で、2位に輝いた秀逸なジョークです。

 

シャーロック・ホームズとワトソン博士がキャンプに出かけた。彼らは星空の下でテントを張り、眠りについた。夜中にワトソン博士を起こして、こう告げた。

 

ホームズ「ワトソン君、星空を見て、何が分かるのか言ってみたまえ。」

ワトソン「何百万もの星が見えます。」

ホームズ「そこから、何が推論できる。」

ワトソン「そうですね...何百万もの星があれば、惑星を持っている星もかなりあるでしょうし、その中には地球のような惑星もあるでしょう。そして、地球のような惑星があれば、そこには生命が存在するかもしれません。」

ホームズ「ワトソン君。君はバカか。誰かがわれわれのテントを盗んだんだよ。」

お分かり頂けましたか?

ホームズが最後のセリフを言うまで、みなさんはテントがある状態だと思っていました。

しかしホームズの最後のセリフによって「あ、そうゆう事か」と”ズレ”を認識します。

 

この”ズレ”の認識によって、笑いが起こるんですね。

 

それが分かれば、やる事は一つ。

志村けんは本当に”ズレ”を作り出しているのか?

これを検証するだけです。

 

それでは参りましょう!

 

志村けんの”笑いの秘密”に迫る...!!

 

さきほどの章で、”認識のズレ”が笑いを生み出す事は分かりました。

では、本当に志村けんは”認識のズレ”を生み出しているのか?

バカ殿シリーズとだいじょうぶだあシリーズを使って検証してみました。

 

結果、確かに志村けんは”認識のズレ”を作り出していました。

以下の動画などが分かりやすいです。

この動画面白いので、趣味程度に見てみてください(笑)

 

志村けん病院コント-Youtube

 

 

...しかし、”認識のズレ”だけでは説明出来ない笑いがありました。

例えば、だいじょうぶだあに収録されている、以下のシーン。

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このシーンでは、ただただ志村けんさんが下ネタを垂れ流しているだけです。

しかし、会場では笑いが起こっている。(この時の笑いは、観客に子供や中高生を多く含んでいるため、サクラでは無いかと...)

この笑いは”認識のズレ”では説明できません。

 

困った。

 

マジで困った。

”笑い”に関する心理学の理論をめっちゃ調べて、ややこしい理論に触れまくって、「分かった!笑いは”認識のズレ”から起こるんだ!」とドヤ顔で結論付けたのに、説明できない笑いがあった...

 

詰んだ。

 

そう思った。

でも、ここで諦めないのがまっちゃという男。

志村けんさんの”笑い”を徹底解剖すべく、再び心理学をむさぼった。

 

POINT

・1回詰んだ。

 

ついに判明!志村けんの”笑いの秘密!”

 

さて、志村けんの”笑い”を徹底解剖すべく、本と論文を漁っていたまっちゃ。

ついに見つけた。

バーガーが1993年に発表した研究です。

この研究では、笑いの45の技法を明らかにしていました。

 

そして、志村けんはこの45の技法の中から、少なくとも13の笑いの技法を使っていました。

以下志村けんが使っていた13の技法。

 

”奇行”、”大げさな表現”、”誤解”、”パロディー”、”ハプニング”、”追いかけ”、”スラップ・スティック”、”パロディー”、”バーレスク”、”失敗”、”誇張”、”逐語主義”、”誤解”

志村けんのバカ殿様スペシャル-youtube

 

これらの技法については、バカ殿シリーズが一番分かりやすいです。

 

以上から分かるように、”認識のズレ”だけでは無く、志村けんは非常に多彩な笑いの技法を用いていました。

だから48年間、日本中を沸かせ続けられたのだと考えられます。

 

これが志村けんの笑いの秘密です。

 

POINT

・志村けんは13種類もの笑いの技法を使いこなしていた!!

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

情報量が多くなったので、以下にまとめます。

 

  • ”笑うと健康になる”は嘘だったけど、笑いにはネガティブ感情の緩和、創造性の向上、認知スパンの拡大、親近感の醸成の4つの効果がある!
  • 笑いは主に、”認識のズレ”から起こる!
  • 志村けんは13種類もの多彩な笑いの技法を駆使していた!!!

 

今日の話を、少しでもお楽しみ頂けたのであれば嬉しいです。

今日はこの辺で失礼します。

 

ンまたな('ω')ノ

 

 

U-NEXTなら、志村けんさんが出演する「8時だヨ!全員集合」が、放送当時のまま見れるます。1978年、PTA全国協議会にて俗悪番組のトップとして挙げられながらも、視聴者からの根強い支持を得て、伝説となった番組です。

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